News

お知らせ

ホームお知らせ奈良市観光ガイド|世界遺産・食文化・伝統行事まで網羅した28選

ここから本文です。

2026年1月27日

奈良市観光ガイド|世界遺産・食文化・伝統行事まで網羅した28選

多武峰に位置する当館の正面にある談山神社は、大化の改新の談合が行われた地として知られ、藤原氏の祖である中臣(藤原)鎌足公が祀られています。

多武峰が藤原氏の歴史の始まりの地であるとすれば、奈良市はその一族が氏寺や氏神を築き、天平文化が花開いた中心地といえるでしょう。

本記事では、多武峰観光ホテルを拠点にお出かけいただきたい、藤原氏の歴史とともに巡る奈良市内の主要観光スポットをご紹介します。

初めて奈良を訪れる方はもちろん、歴史をより深く楽しみたい方にもおすすめの内容です。

1. 祈りと権勢が交錯する「世界遺産・王道スポット」

奈良の象徴であるこれらのスポットは、1998年に「古都奈良の文化財」として世界文化遺産に登録されており、当時の国家プロジェクトや藤原氏の篤い信仰を今に伝えています。

東大寺(とうだいじ)

東大寺

聖武天皇が生きとし生けるもの全ての繁栄を願い建立した、華厳宗(けごんしゅう)の大本山です。世界最大級の木造建築である大仏殿内には、「奈良の大仏さま」として親しまれる廬舎那仏が鎮座します。世界最大の金銅仏であり、752年に開眼されたとは信じられない、像高約15mの圧倒的な規模を間近に体感できます。

興福寺(こうふくじ)

興福寺

法相宗(ほっそうしゅう)の大本山であり、1998年に世界遺産に登録されました。710年の平城遷都に伴い、藤原不比等(ふじわらのふひと)によって移設された藤原氏の氏寺です。

そのルーツを辿ると、当館正面の談山神社に祀られる藤原鎌足公へと行き着きます。天智8年(669年)、鎌足公が重い病に伏した際、夫人の鏡女王(かがみのひめみこ)が夫の回復を祈願して建立した「山階寺(やましなでら)」がその前身とされています。

藤原一族の隆盛とともに強大な政治権力と結びつき、一時は大和国(やまとのくに)を実質的に支配するほどの栄華を誇りました。現在、シカが群れ遊ぶ奈良公園の広大な敷地も、かつては興福寺の境内地であり、当時の規模の大きさを物語っています。

なお、シンボルである五重塔は、現在、明治以来の大規模な保存修理工事のため、外観を見ることはできません。

春日大社(かすがたいしゃ)

春日大社

藤原氏の氏神を祀る藤の名所であり、全国に約3000社ある春日神社の総本山としても知られています。平城京の鎮護のために創建された社殿は、20年ごとに社殿を造り替える式年造替(しきねんぞうたい)によって清浄な姿が保たれてきました。境内には平安時代から現在に至るまでに寄進された約3000基もの燈籠が並び、古くからの篤い信仰の形を伝えています。

奈良公園(ならこうえん)

奈良公園

東大寺や興福寺、春日大社を包み込む、約660ヘクタールの広大な歴史公園です。園内を回遊する約1300頭のシカは、春日大社の神様が白鹿に乗ってやってきたという伝説から、「神の使い」として1300年以上大切に保護されており、国の天然記念物にも指定されています。

若草山(わかくさやま)

若草山

標高342メートル、3つの笠を重ねたような山容から「三笠山(みかさやま)」とも呼ばれる全山芝生の山です。山頂には5世紀頃に築造された前方後円墳の鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)があります。頂上からは奈良盆地を一望でき、夜には「新日本三大夜景」の一つに数えられる美しいパノラマを楽しめます。

2. 天平の知性と美学を辿る「歴史・文化深掘りスポット」

学術的な価値の高い施設や、建築様式の美しさが際立つ社寺を巡り、当時の高い文化水準に触れることができます。

奈良国立博物館(ならこくりつはくぶつかん)

奈良国立博物館

1895年に開館した、仏教美術を中心に数多くの名品を展示・収蔵する「仏教美術の殿堂」です。明治建築の「なら仏像館」では、飛鳥時代から鎌倉時代に至る仏像が常時100体近く展示されています。毎年秋には、聖武天皇遺愛(いあい)の至宝を公開する「正倉院展(しょうそういんてん)」の会場となります。

唐招提寺(とうしょうだいじ)

唐招提寺

唐から5度の苦難を乗り越えて来日した高僧・鑑真和上(がんじんわじょう)により、天平文化の円熟期である759年に日本初の本格的な戒律を学ぶための修行道場として開かれました。金堂や講堂など天平文化の面影を色濃く残す建築が立ち並びます。

毎年5月19日に行われる梵網会(ぼんもうえ)、通称「うちわ撒き」でも知られています。この祭事では、様々なご利益を持つとされるハート形の宝扇(ほうせん)を参拝者に向けて撒く光景が見られ、奈良の歴史ある伝統行事として親しまれています。

薬師寺(やくしじ)

薬師寺

天武天皇が皇后(後の持統(じとう)天皇)の病気平癒を祈って発願された寺院です。金堂と東西2基の塔を配する「薬師寺式伽藍配置(がらんはいち)」が特徴で、各層に裳階(もこし)をつけた「龍宮造(りゅうぐうづくり)」の構造が独特の美しさを誇ります。730年創建の国宝・東塔は、2021年に12年ぶ及ぶ修理を終え、明治時代にフェノロサが「凍れる音楽」と称えたとされる魅力を、現代まで伝えています。

平城宮跡(へいじょうきゅうせき)

平城宮跡

710年に遷都された平城京の中心であった宮殿の跡地です。東西1.3km、南北1kmに及ぶ広大な敷地には、儀式が行われた第一次大極殿(だいいちじだいごくでん)や、朱雀門、大極門などが史実に基づき復元されています。平城宮跡資料館では、発掘調査の過程やその出土品、復元された調度品など、平城宮での暮らしが分かる展示物の他、季節ごとに様々なイベントが催されています。

3. 古都の素顔と静寂に触れる「落ち着いた散策・穴場エリア」

観光客で賑わうエリアから少し足を延ばし、情緒ある街並みや隠れた名刹を楽しむことができます。

ならまち

ならまち

世界遺産・元興寺(がんごうじ)の旧境内地を中心に、江戸から明治時代の伝統的な町家が残るエリアです。軒先に吊るされた赤い「身代わり申(みがわりざる)」は、庚申信仰(こうしんしんこう)に基づく魔除けであり、ならまち特有の景観を作り出しています。古民家を活用したカフェや雑貨店が点在し、歴史を感じながらの散策に適しています。

きたまち

近鉄奈良駅の北側に広がるエリアで、東大寺の転害門(てがいもん)など、聖武天皇の時代から唯一残る建築遺構が住宅街の中に溶け込んでいます。旧奈良監獄などの近代建築や、静かな路地に隠れ家のような飲食店が点在し、歴史の重層性を感じながらゆったりとした時間を過ごせます。

佐保路(さほじ)エリア

かつて貴族の邸宅が並んでいた「一条南大路」沿いに位置する地域です。光明皇后(こうみょうこうごう)ゆかりの法華寺(ほっけじ)や海龍王寺(かいりゅうおうじ)、在原業平(ありわらのなりひら)が再興した「花の寺」として知られる不退寺(ふたいじ)などの古刹が集まっており、のどかな田園風景と歴史が調和しています。

白毫寺(びゃくごうじ)

高円山(たかまどやま)の麓の高台に位置し、叡尊(えいそん)によって再興された真言律宗の寺院です。境内からは奈良市街を一望できる抜群の眺望を楽しめます。県天然記念物の「五色椿(ごしきつばき)」や、秋には参道の石段を見事な萩の花が彩ることで知られています。

4. 1200年の伝統が息づく「奈良の食文化」

奈良は清酒や菓子など、現代の食文化に繋がる多くの「発祥の地」でもあります。

清酒発祥の地(奈良の地酒)

奈良市郊外の正暦寺(しょうりゃくじ)は、室町時代に近代醸造法の基礎となる「三段仕込み」や、麹と蒸米の両方に精白米を用いる「諸白(もろはく)造り」を確立した地です。伝統的な酒母である「菩提酛」による酒造りが復活し、現代でも芳醇な味わいを楽しめます。

茶がゆ

茶がゆ

「おかいさん」と呼ばれ、1200年前から親しまれてきた郷土料理です。ほうじ茶などで粘りが出ないようにサラッと炊き上げるのが奈良流で、かつては「大和の朝は茶粥で明ける」と言われるほど生活に密着した日常食でした。

奈良の和菓子

奈良は「饅頭発祥の地」とも言われ、古くから社寺の祭礼とともに発展してきました。万葉集の時代から現代まで、地域の風土や歴史と結びついた物語を持つ老舗が点在しています。

当館周辺で特に知られる和菓子には、次のようなものがあります。

  • 白玉屋榮壽「みむろ最中」(桜井市)
  • だんご庄「きな粉だんご」 (橿原市)
  • こばし餅店「こばしの焼餅」(吉野町)
  • やまとびとのこころ店「女夫饅頭」(桜井市)
  • 松月堂「きみごろも」(宇陀市)
  • 本家菊屋「御城之口餅」(大和郡山市)

上記以外にも奈良には地域ごとの名物和菓子が多く、詳しく知りたい方は奈良県庁公式ページ「菓子匠帖」もご覧ください。https://www.pref.nara.jp/43978.htm

奈良観光の合間に、こうした老舗の和菓子めぐりを楽しむのもおすすめです。

奈良のいちご

奈良のいちご

奈良県は戦後、全国有数のいちごの産地として発展し、現在は「古都華(ことか)」や「アスカルビー」といった高品質なブランド品種が栽培されています。特に古都華は糖度と酸度が高く、濃厚な味わいとフルーティーな香りが特徴で、希少価値の高い高級品種です。

奈良のかき氷

平城遷都の際、氷の守護神を祀るために創建された氷室神社(ひむろじんじゃ)があることから、奈良は「かき氷の聖地」と呼ばれています。神社では夏季限定で、御神前にお供えしたかき氷を「御さがり」として頂ける体験も行われており、また県内の多くのカフェなどの飲食店では、季節を問わず、多種多様なかき氷を楽しめます。

また、奈良県内には季節を問わず個性豊かなかき氷が楽しめるお店があります。情報の参考として、かき氷専門ポータルサイト「奈良かき氷.com」もぜひご覧ください。
https://nara-kakigori.com/

人気のかき氷店としては、例えば次のような店舗があります。

  • ほうせき箱(奈良市)
  • 堀内果実園(奈良市)

その他にも県内各地のカフェや飲食店では、地元食材を使った多種多様なかき氷が提供されており、奈良観光のデザート・スポットとしても人気です。

柿の葉寿司(かきのはずし)

柿の葉寿司

塩で締めた鯖や鮭を酢飯と共に柿の葉で包み、押し寿司にした郷土料理です。柿の葉には殺菌作用があり、保存の知恵から生まれた伝統の味は、文化庁が認定する100年フードにも登録されています。

奈良漬(ならづけ)

奈良漬

酒粕に野菜を漬け込んで熟成させる、長い歴史を持つ保存食で、最古の記録として、平城京跡から出土した木簡に「加須津毛(かすづけ)」として登場します。伝統的な製法で何度も漬け替えることで生まれる琥珀(こはく)色と芳醇な香りは、茶がゆの付け合わせやお酒の肴として欠かせません。

5. 不退の祈りが現代に伝わる「特別な体験・伝統行事」

奈良には、一度も途切れることなく千年以上の間守り続けられてきた希少な神事・仏事があります。

修二会(しゅにえ)お水取り(おみずとり)

東大寺二月堂で752年から1270年以上続く、人々の罪を懺悔し天下泰安を祈る行事です。3月12日の深夜に若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げるお水取りの儀式は非公開ですが、3月1日から14日間行われる本行の期間中は、毎晩お松明があがります。その火の粉を浴びると無病息災のご利益があるとされ、特に3月12日の籠松明の迫力は格別で、奈良に春を呼ぶ風物詩となっています。

鹿寄せ(しかよせ)

鹿寄せ

春日大社境内の飛火野で、ナチュラルホルンの音色に誘われて森の奥からシカの群れが集まってくる、1892年から続く奈良の朝の情景です。走り寄ってくるシカたちの姿は非常にのどかで、集まった後にはご褒美のドングリが与えられます。予約不要で見学できる期間と、有料で予約できる期間があり、奈良の鹿愛護会のホームページ等から確認できます。

正倉院展(しょうそういんてん)

毎年秋、聖武天皇ゆかりの品々など正倉院に伝わる宝物を奈良国立博物館で期間限定で公開する展覧会です。1300年前の貴重な品々が、当時のままの鮮やかな状態で現代に伝わる、世界的に類を見ない文化遺産に触れられる機会です。

若草山焼き(わかくさやまやき)

若草山焼き

毎年1月の第4土曜日に行われる、若草山全体に火を放って夜空を焦がす早春の伝統行事です。山焼き直前には澄み切った冬空に大輪の花火が打ち上がり、その後、山が炎に包まれる壮大な光景は圧巻です。

月ヶ瀬梅渓(つきがせばいけい) 梅まつり

月ヶ瀬梅渓

奈良市東部の月ヶ瀬エリアでは、2月中旬から3月下旬にかけ、約一万本の梅の花が咲き誇ります。1205年に真福寺境内の天神社を建立する際、祭神の菅原道真公が好んだ梅を植樹したことが始まりと伝わり、江戸時代後期の最盛期には、その数10万本にも及んだとされています。明治時代の烏梅の暴落や、昭和の高山ダム建設による水没を乗り越え守られてきた梅林は、香り高く、早春の散策に最適です。

春日若宮おん祭(かすがわかみやおんまつり)

春日大社の摂社である若宮神社の例祭で、五穀豊穣と万民安楽を祈り、900年近く途切れることなく続けられてきた伝統行事です。現在は毎年12月15日から4日間行われ、中でも12月17日には、平安時代から続く装束を身にまとった大行列「お渡り式」など、重要無形民俗文化財に指定された古典芸能が長時間にわたり奉納されます。

夏の夜を彩る「なら燈花会」と盆の灯火(8月)

なら燈花会

8月上旬からお盆にかけての奈良は、エリア全体が柔らかな灯りに包まれます。市民ボランティアによって支えられる「なら燈花会」とともに、社寺の伝統的な献灯行事を巡ることができます。

  • なら燈花会(毎年8月5日〜14日)
    奈良公園一帯に数万個のろうそくを灯す、夏の奈良を代表する風景です。19:00から21:30頃まで、世界遺産の建造物を背景に幻想的な光が広がります。
  • 春日大社:中元万燈籠(毎年8月14日・15日)
    境内にある約3,000基もの石燈籠と吊り燈籠すべてに火が灯される神事です。平安時代末期から続く人々の祈りが込められた燈籠が、朱塗りの回廊を照らし出す様子は、王朝絵巻のような美しさです。
  • 東大寺:万灯供養会(万灯明)(毎年8月15日)
    大仏さまに灯籠をお供えして諸霊の供養を祈る行事で、参道には約2,500基の灯籠が整然と並びます。この夜は、大仏殿正面の「観相窓(かんそうまど)」が開けられ、外から直接大仏さまのお顔を拝むことができる特別な参拝となります。

冬の静寂に捧げる「なら瑠璃絵」と節分の祈り(2月)

なら瑠璃絵

2月の奈良では、深い青色の光で社寺をつなぐ「なら瑠璃絵」が開催されます。日程は前後しますが、節分の夜に灯される伝統的な灯火とあわせて、厳かな冬の夜を楽しめます。

  • 春日大社:節分万燈籠(毎年2月節分の日)
    8月の行事と同様、境内の約3,000基の燈籠に火が入ります。冬の澄んだ空気の中で揺らめく灯火は、一年の除災招福を祈る厳かな雰囲気を醸し出します。
  • 東大寺:星供養(万灯明)(毎年2月節分の日)
    節分行事の一環として、一年の無病息災を祈る万灯明・星祭が執り行われます。修二会の舞台でもある二月堂本堂にともされるのは、冬の夜に捧げられる静かな祈りの灯火です。
  • なら瑠璃絵(毎年2月8日〜14日)
    春日大社、東大寺、興福寺の三社寺を、神道・仏教の垣根を超え、平和の祈りとなるように、宝石の瑠璃(るり)をイメージした深い青色の光の回廊でつなぐライトアップイベントです。期間中は各社寺で夜間特別拝観も行われ、幻想的な瑠璃色の世界を堪能できます。

歴史の源流を巡る「1Day 奈良満喫モデルコース」

多武峰観光ホテルを拠点にお出かけされる際に、効率よく奈良市内を巡る2つのプランをご提案します。

  • プランA:王道の天平文化と歴史パノラマを巡るコース
    1. 午前:春日大社を参拝後、奈良公園でシカとの交流を楽しみつつ、東大寺の大仏さまを拝観。
    2. 昼食:ならまちの古民家レストランで名物の茶がゆや大和野菜を堪能。
    3. 午後:興福寺で国宝仏を鑑賞。その後、奈良国立博物館の仏像館で仏教美術の粋に触れる。
    4. 夕方:若草山の頂上へ。沈みゆく夕日と新日本三大夜景を眺めて、多武峰へ。
  • プランB:西ノ京(にしのきょう)の美学と静寂を訪ねるコース
    1. 午前:薬師寺の白鳳伽藍と、唐招提寺の天平建築をじっくり鑑賞。
    2. 昼食:佐保路エリアので心地よいランチタイム。
    3. 午後:平城宮跡を散策し復原された朱雀門の規模を実感。
    4. 夕方:白毫寺からの眺望で1日の余韻に浸り、多武峰の静寂の宿へ。

多武峰の静寂へ帰る、旅の締めくくり

奈良市内で藤原氏ゆかりの社寺や天平文化の舞台を巡った後は、その物語の原点である多武峰へお戻りください。談山神社の真正面に位置する多武峰観光ホテルは、歴史の流れを一度立ち止まって振り返るのにふさわしい、静かな環境にあります。

ご夕食には、大和観光料理百選第一位に選ばれた当館名物「義経鍋」をご用意。奈良の山の幸を味わいながら、今日出会った風景や歴史に思いを巡らせるひとときをお楽しみいただけます。

また、館内ライブラリーでは、司馬遼太郎氏の著作などを手に取り、静かな夜に歴史の余韻へ浸ることも可能です。多武峰の自然と静寂に包まれた一夜が、奈良の旅をより深く、心に残るものとして締めくくってくれることでしょう。